睡眠時間の理想を年齢別に——厚労省ガイドが示す6時間の意味
成人6時間以上、中高生8〜10時間。厚労省ガイドの年代別の目安から、自分に必要な睡眠の長さを設計する。
「結局、何時間寝れば足りるんですか」——睡眠の話になると、必ずこの質問が出ます。おもしろいのは、この問いに日本にはすでに公的な答えがある、ということ。厚生労働省の『健康づくりのための睡眠ガイド2023』(2024年2月公表)は、年代ごとの睡眠時間の目安をはっきりと数字で示しています。ところが、その中身を知っている人はほとんどいません。
海外では sleep hygiene(睡眠衛生)の議論が進み、「必要な睡眠時間は年齢によって違う」という前提が当たり前になりました。日本でも枕・マットレス・入眠儀式といった「道具と技術」の話題は増えましたが、その手前にある「自分に必要な長さ」だけが空白のまま残っています。土台が無いまま道具を足しても、うまくいかないのは当然です。
この記事では、公的ガイドの数字を軸に、あなたの年代に合った睡眠の「設計図」をつくります。長く寝ることを競うのではなく、必要な長さを知って、そこから逆算する。睡眠は『長さ』から『設計』へ——まずは自分の目安を知るところから始めましょう。
まず数字を確認します。厚生労働省『健康づくりのための睡眠ガイド2023』(2024年2月公表)が示す目安は、成人は6時間以上、中高生は8〜10時間、小学生は9〜12時間。そして高齢者については、寝床で過ごす「床上時間」が8時間以上にならないよう注意を促しています。ここで大事なのは、高齢者だけ方向が逆だという点です。若い世代には「これだけ確保しよう」と長さを示し、高齢者には「寝床にいる時間を伸ばしすぎないように」と伝えている。
つまりガイドは、睡眠を単純な「長ければ長いほど良いもの」として扱っていません。一方、現実の数字はどうか。令和元年 国民健康・栄養調査によれば、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人は男性37.5%・女性40.6%。成人の目安である「6時間以上」を、およそ4割が下回っている計算になります。ベッドで過ごす時間そのものを問い直すベッドロッティングのような潮流が海外で生まれたのも、この「長さ」への向き合い方が世界的に揺れているからです。数字は脅すためのものではなく、現在地を測る物差しとして使いましょう。
なぜ日本では「自分に必要な睡眠時間」が曖昧なままなのでしょうか。ひとつは、睡眠が長らく「根性」や「働き方」の文脈で語られてきたからです。短く寝られる人が有能に見え、必要な長さは人によって違うという前提が共有されてこなかった。もうひとつは、情報の入口が「質を上げる技術」から始まってしまったこと。スリープマキシングのように入眠の質を高める方法は数多く紹介されますが、それは「必要な長さを満たしたうえで」効いてくる話です。
土台の長さが足りていない人が高機能な枕を買っても、体感は変わりにくい。ここは順番の問題です。そしてもう一点、ガイドの数字は平均的な目安であって、全員に当てはまる正解ではありません。必要な睡眠時間には明確な個人差があり、同じ年代でも快適に感じる長さは違います。だから使い方は「◯時間寝ないと病気になる」ではなく、「自分の年代の目安を出発点にして、日中の眠気や集中の状態で微調整する」。ガイドが高齢者に床上時間の上限を示したのも、眠れないまま寝床にいる時間を減らすほうが結果的に眠りが安定する、という考え方に基づいています。

年齢別の理想の睡眠時間を知る方法は、3ステップで組めます。①1週間、実際の睡眠を記録する。体感ではなく記録で見ることが出発点です。スマートフォンのアプリでも足りますが、就寝・起床の時刻を自動で拾うウェアラブルは記録が途切れにくいのが利点。指輪型の Oura Ring 4 は装着感が軽く睡眠計測に特化した設計、腕時計型の Fitbit Charge 6 は運動記録と併用でき、Apple Watch は既に持っている人なら追加購入が不要です。
方式(指輪/腕時計/既存端末)と価格帯の違いで選ぶと迷いません。②記録した平均と、ガイドの目安を照合する。成人なら6時間以上、中高生は8〜10時間、小学生は9〜12時間。高齢のご家族なら、寝ている時間ではなく「寝床にいた時間」が8時間を超えていないかを見ます。足りない場合は起床時刻ではなく就寝時刻を15分ずつ前倒しするのが現実的です。
③必要な長さが確保できてから、環境を整える。ここで初めて寝具が効きます。高さを選べるブレインスリープ ピローや、通気性で選ぶ西川のエアーシリーズなど、比較の軸は「高さ調整の可否」「素材」「返品試用期間の有無」。部屋そのものの居心地を整えるコージーな部屋づくりの発想も、寝る前の減速に効いてきます。

まとめ:睡眠時間の理想は「長さ」ではなく「設計」で決まります。厚生労働省『健康づくりのための睡眠ガイド2023』が示すのは、成人6時間以上・中高生8〜10時間・小学生9〜12時間、そして高齢者は床上時間8時間未満という年代別の目安。令和元年 国民健康・栄養調査で6時間未満が男性37.5%・女性40.6%という現実を踏まえれば、まず取り戻すべきは技術ではなく長さです。
今夜できるのは、就寝時刻を15分前倒しして、1週間だけ記録を取ること。記録が続かないなら、Oura Ring 4 や Fitbit Charge 6 のような自動計測のデバイスを、下記から方式・価格で比較して選べます。必要な長さが確保できたら、ブレインスリープ ピローのような高さ調整のできる寝具で仕上げる——この順番が近道です。
なお必要な睡眠時間には個人差があり、目安はあくまで出発点。寝つけない・途中で目が覚める・日中の眠気が続くといった状態が数週間続く場合は、自己流の調整を重ねる前に、睡眠外来や内科など専門の医療機関に相談してください。オンライン診療のクリニックフォアなら、通院の時間が取りにくい人でも相談の入口をつくれます。
この記事について
この記事は Tokyo Decoded 編集部のルーカス・ウェーバー(ライター/睡眠・ウェルネス担当・データ検証)が執筆し、編集部が出典の確認と事実確認を行いました。広告主が内容・評価に関与しない編集の独立を方針としています。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。
出典・参考資料
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(睡眠対策ページ) — 厚生労働省
- 厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査報告」 — 厚生労働省