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ファイバーマキシングとは——食物繊維25gに、日本の食卓で届く

米国TikTok発の「ファイバーマキシング」。目標25gと実摂取19.9gの差を、味噌・納豆・切干大根で埋める考え方。

切干大根と納豆の朝の食卓

「ファイバーマキシング(fibermaxxing)」とは、一日の食事に食物繊維をできるだけ足していく食べ方のことです。米国のTikTokから広がった言葉で、プロテインばかりが主役だった数年を経て、2025〜26年に「次は繊維でしょう」と揺り戻しが起きた——その空気に名前が付いたもの、と考えてください。

ただ、この言葉を最初に聞いたとき、私は少し身構えました。「maxxing=最大化」という響きが、サプリを買い足す方向に読めるからです。でも実際に日本の食卓に落とすと、話はかなり地味になります。納豆をもう1パック、味噌汁に切干大根、白米に大麦をひとさじ。すでに家にあるものの組み替えで、だいたい足ります。

この記事では、まず言葉の意味を整理し、次に「日本人はいま何gで、目標は何gなのか」という数字を確認し、最後に足しすぎたときに何が起きるかまで書きます。増やす話だけで終わらせないのが、この記事の約束です。

ファイバーマキシングとは?目標25gと実摂取19.9gの差

ファイバーマキシングとは何かを数字で見ると、日本には明確な「差」があります。

厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2025年版)』は、成人の食物繊維の目標量を1日25g前後に引き上げる方向を示しました。一方、令和元年 国民健康・栄養調査による20歳以上の実際の摂取量は、男性 約19.9g・女性 約18.0g。**目標に届いていない**という状態が、統計として置かれています。

差は男性で約5g、女性で約7g。これは「食生活を全部やり直す」量ではありません。納豆1パック、ゆで大豆、切干大根の煮物——このあたりを1〜2品足すと届く帯です。ファイバーマキシングという外来語が指しているのは、実はこのくらいのスケールの話だと考えると、急に扱いやすくなります。

もうひとつ、認知の側の数字があります。2025年3月に公表された民間調査では、『1日25g以上が望ましい』と知らない人が**87.9%**、『自分は足りていないと思う』が**73.7%**でした。つまり多くの人が「たぶん足りていない」と感じてはいるけれど、**目標値そのものを知らない**。この非対称が、外来語のトレンドが日本で刺さる余地になっています。数字を知らないまま「もっと」と言われると、人はサプリに行きがちだからです。

(出典:厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2025年版)』/令和元年 国民健康・栄養調査/2025年3月公表の民間調査)

では、なぜ日本でファイバーマキシングを実践するのが、海外より少しだけ簡単なのか。答えは冷蔵庫と乾物棚にあります。

味噌、納豆、ぬか漬け、切干大根。日本の食卓には、発酵食品と繊維源が別々のジャンルとしてではなく、**同じ献立の中に同居している**という蓄積があります。海外で「gut health」「fibermaxxing」と名付けられて再発見されつつある組み合わせを、日本は献立の形で持っている。切干大根は大根を干して水分を抜いたもので、量あたりの繊維が濃くなるという単純な理由で強い。ぬか漬けは漬けるという行為自体が発酵で、野菜がそのまま繊維源です。

ここで大事なのは、**「腸活」を万能の健康法として読まないこと**です。食物繊維を増やすことがそのまま免疫やメンタル、体重の話に直結すると書く記事は多いですが、この記事ではそこまで踏み込みません。言えるのは「日本人の平均摂取量は国の目標量に届いていない」という事実と、「その差は日常の食材で埋められる規模である」という2点だけです。

そしてもうひとつ。「maxxing=最大化」というニュアンスを、そのまま肯定しないでください。繊維は増やせば増やすほど良い、という設計にはなっていません。この点は次のセクションの後半で具体的に書きます。

海外で名前が付いたものを買い足しで解決しない、という発想はアンダーコンサンプション・コアで扱った態度と地続きです。新しい名前が来たときに、まず家の中を見る。それがこのメディアの基本姿勢です。

切干大根と納豆の朝の食卓

ファイバーマキシングの始め方——主食から替える4ステップ

ファイバーマキシングの始め方——4ステップ

①**まず主食を1つだけ替える。** 白米に押し麦や大麦をひとさじ混ぜる、パンを全粒粉に替える。主食は毎日必ず食べるので、1回の変更が365回効きます。市販だと「はくばく もち麦ごはん」のような小分けタイプが、計量なしで炊飯器に入れられて始めやすい形です。

②**乾物棚を再稼働させる。** 切干大根、干ししいたけ、ひじき。水で戻して味噌汁に入れるだけで一品になります。乾物は常温保存が効くので、買い置きが腐らないという実務的な利点があります。

③**発酵と繊維を同じ皿に乗せる。** 納豆にオクラやめかぶ、味噌汁に根菜。日本の献立はこれを自然にやってきました。新しい料理を覚える必要はありません。

  1. **足りない日の保険を1つだけ用意する。** 外食や出張が続くと
  2. 〜
  3. が全部止まります。そこだけを埋める前提で、粉末やドリンクを1つ持っておく設計は現実的です。公開情報で方式を整理すると、**イージーファイバー(小林製薬)**は難消化性デキストリンの粉末で無味に近く、飲み物や汁物に溶かす方式。**サンファイバー(太陽化学)**はグァー豆由来の水溶性繊維で、同じく溶かして使う方式。**ミルミル(ヤクルト)**は発酵乳に繊維を組み合わせた飲料タイプで、常温保存ではなく冷蔵が前提です。粉末は量を自分で刻める代わりに計量の手間があり、ドリンクは手間がない代わりに1回量が固定される——この違いで選ぶと迷いません。

⑤**——ではなく、ここでブレーキ。** 一気に増やすとお腹が張ります。食物繊維、特に不溶性のものは急に増やすと腹部膨満やガス、逆の便秘を招くことがあります。**水分を一緒に増やす**こと、そして**1日あたり2〜3g刻みで1〜2週間かけて上げる**こと。「maxxing」という語感に引っ張られて一気に25gを目指さないでください。便秘や腹痛が続く場合、あるいは持病や治療中の方は、自己判断で増やさず医師・薬剤師に相談してください。

切干大根と納豆の朝の食卓

まとめ:ファイバーマキシングは買い足しではなく組み替え

まとめ:ファイバーマキシングは「買い足し」ではなく「組み替え」

整理します。ファイバーマキシングとは、食物繊維を意識的に足していく食べ方のこと。日本の目標量は1日25g前後(食事摂取基準2025年版)、実際は男性 約19.9g・女性 約18.0g(令和元年 国民健康・栄養調査)。差は5〜7gで、納豆・切干大根・大麦入りごはんの範囲で埋められる規模です。そして『25g以上が望ましい』を知らない人は87.9%——まず数字を知ることが最初の一歩になります。

今週やることを1つだけ選ぶなら、**次に米を買うときに「もち麦」を一緒に買う**。これが一番脱落しにくい一手です。乾物棚に切干大根を1袋足すのも同じ効き方をします。外食や出張が多い方は、粉末タイプ(イージーファイバー、サンファイバー)や飲料タイプ(ミルミル)を「保険」として1つだけ持っておく設計が現実的です。方式・保存条件・1回量の違いは本文で整理したとおりで、**下記から各商品の仕様を比較・購入できます**。

最後にもう一度。増やすことは目的ではありません。急に増やせばお腹が張り、水分が足りなければ逆効果になります。2〜3g刻みで、水と一緒に。便秘や腹痛が続くときは受診してください。

海外から来た言葉に、日本の食卓で答える。この作業はアンダーコンサンプション・コアと同じで、たいてい答えはもう家にあります。

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この記事について

この記事は Tokyo Decoded 編集部のソフィア・レイエス(デザイナー/暮らし・比較記事担当)が執筆し、編集部が出典の確認と事実確認を行いました。広告主が内容・評価に関与しない編集の独立を方針としています。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。

出典・参考資料

  1. 厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2025年版)』策定検討会報告書」 — 厚生労働省
  2. 厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査報告」 — 厚生労働省
  3. AuB株式会社「食事摂取基準(2025年版)で食物繊維がより重要視!1日25g以上の摂取が望ましいことを知らない人の割合は87.9%」(PR TIMES・2025年3月) — AuB株式会社